2006年8月9日

恩田陸 ネジの回転(上)(下)


タイムトラベルものの小説が大好きな私ですが、この間、サンフランシスコに出張の際に、「行き帰りの飛行機で読む本がないかなぁ〜」と、最近、近所に出来たくまざわ書房で物色してたときに目にとまって購入しました。

タイムトラベルという現象をあつかった小説としては、タイムトラベラーズワイフが私の中では最高傑作というイメージがありますが、病気というテーマであつかった小説なので賛否両論あったかなぁと思います。同様に、「未来の思い出」という、梶尾真治さんの傑作小説がありますが、こちらはラブロマンスなので、読みやすくてとっても、どきどきわくわくする感じです。

さて、じゃぁ、この「ネジの回転」ですが、、、未来の人間が過去の歴史を操作して自分たちに都合の良い歴史に書きかえる。それによって人類にとっての明るい未来を作りだすという、まぁ、タイムトラベルをあつかう小説としては、トラディショナルなテーマですが、その「過去の歴史」が「二・二六事件」なのです。この事件の歴史をなぞるなかで、もう一度「歴史は繰り返す」というメビウスの輪のような不思議な世界が作りだされています。前半、ちょっと退屈な部分があるのですが、上巻の半分までは我慢して読んでみて欲しいです。その後、「時間」そして「歴史」に翻弄される主人公たちに引きこまれて、一気に読めるはずです。そして「歴史は繰り返す」というありきたりで、たびたび言われる、このことの重みに納得するのじゃないかと思います。

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タイムトラベルするなら、どの時代がいいかなぁ〜と考えつつ一票お願いします。

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